Beyerdynamicはドイツで1924年に設立されたオーディオブランドで、世界初のダイナミック型ヘッドフォンを開発した会社でもあります。
そういった理由から、以前はBeyerdynamicといったら10万を超える高級オーディオ機器やスタジオヘッドホンなどの製品が有名でした。例えば、DT250というヘッドホンはビートルズで有名なアービーロードスタジオで使用されていました。
しかし、現在ではそのような状況も変わり、様々な海外のプロゲーマー/ストリーマー達がBeyerdynamicのヘッドホンを使用しています。
この記事では、Beyerdynamicの魅力に迫るとともに、ゲームをする際に特におすすめのヘッドホンをご紹介したいと思います。
Beyerdynamicを使用しているストリーマー達
- Ninja
- Nick Eh 30
- Replays
- KingRichard
Ninja
Beyerdynamicはもともとゲーム用ではなくスタジオ用やリスニングように作られたヘッドホンでした。しかし、そのヘッドホンをゲーミングの世界に持ってきて有名にしたのが、かの有名なNinjaです。
Ninjaは、H1Z1というゲームで名をあげ、その後PUBGやFortniteを経て世界的に有名になりました。
H1Z1をプレイしていた当時はHyperXのゲーミングヘッドセットを使用していましたが、PUBGの時代にBeyerdynamicのDT990 Proというモデルに変更しました。
変更した当時、Ninjaはすでに世界的に有名だったので、彼のフォロワーたちがこぞって同じヘッドホンを購入しました。
Nick Eh 30
Nick Eh 30はFortniteのプロプレイヤーとして有名なカナダのYoutuber/ストリーマーです。彼がBeyerdynamicのDT990 Proを手にしたのは2018年後半頃です。その理由は、やはりNinjaが使っているから使ってみたくなったとストリーミング中に話していました。
Replays
プロゲーミングチームのFazeに所属しているFortniteプレーヤーのReplaysもBeyerdynamicのDT990 Proユーザーです。彼はよくNick Eh 30とデュオをしているので、二人ともがDT990 ProでFortniteをプレイしています。
KingRichard
Fortniteで名をあげ現在はApex Legendsを主にプレイしているアメリカのKingRichardというストリーマーもNinjaやNick Eh 30と同じくDT990 Proを使用しています。
このように、Ninjaを筆頭に数々の有名なゲーマー達がBeyerdynamicのDT990 Proというヘッドホンを利用しています。
では、その魅力はどこにあるのでしょうか。
Beyerdynamicの魅力
ここでは、Beyerdynamicの魅力をご紹介したいと思います。
モニターヘッドホンならではの解像度
ストリーマー達が使用しているDT990 Proというモデルは1985年に発売されたので、もともとゲーミング用に作られているわけではなくスタジオ用に作られた開放型のモニターへッドホンです。
モニターヘッドホンの特徴といえば、より細かな音まで再現する解像度の高さです。
Beyerdynamicも世界各国のスタジオで使用されているということが証明しているように、非常に高い解像度を誇っています。
豊かな低音
モニターヘッドホンの音の傾向としては、SonyのMDR-CD900STやShureのSRH940などに代表されるような「フラット」ということが挙げられます。
しかし、Beyerdynamicのモニターヘッドホンはリスニング用よりはフラットですが、全体的にどのモデルも低音を豊かに聞かせてくれます。
ゲーム、特にFPSなどのジャンルでは相手の足音や銃声をいち早く察知し、その足音がどこから聞こえてくるのかということを把握しなければなりません。
足音や銃声は、低音の分類に入ります。つまり、低音が豊かでリスニング用のヘッドホンよりも解像度が高いBeyerdynamicのモニターヘッドホンは、銃声の位置を特定したり、足音などを判別することが必要になってくる、FPSのジャンルなどに特に向いているということです。
おすすめモデルの紹介
では、ここでBeyerdynamicのお勧めモデルをご紹介したいと思います。BeyerdynamicにはDT990Pro以外にも多くの優秀なモデルがあります。
DT990 Pro
このモデルは開放型で音の抜けがいいのに、低音がしっかりとあるという点にあります。
また、音抜けがいいのと、聞き疲れしにくい音質、さらにイヤーパッドにベロア素材が使われており一日中快適に使用することができます。長時間プレイするストリーマー達が使用するのも頷けます。
注意点としては、開放型なので遮音性があまりなく、音漏れをしやすいということです。
DT250
見た目は武骨なザ・業務用という感じのモニターヘッドホンです。実際、ビートルズが収録したアービーロードスタジオをはじめ、多くのスタジオで採用されています。
特徴としてはDT990Proなどの大型のヘッドホンよりも軽いので、長時間つけていても頭頂部が痛くならず、側圧もそれほど強くないので快適につけていられるということです。また、業務用なので耐久性も高く、幾度となく落としていますがいまだに壊れている箇所はありません。
音の傾向としては、DT990Proよりもフラットなモニターヘッドホンという感じです。しかし、それでもしっかりと低音が出ており、足音の判別などに非常に役に立ちます。また、全体的な解像度もDT990Proよりも高いように感じます。
デメリットとしては、モニターヘッドホンなので音場が狭いことです。また、チューニングに少し癖があるのでリスニング用途には好き嫌いが出ます。
また、注意点として、抵抗が80Ωと250Ωの二種類があります。抵抗値が高いと、それだけ音量を取りにくくなりますのでもしもPCに直差し、またはスマートフォンに直差しする場合は80Ωのものを選んでおいた方が無難です。
Team TYGR
Beyerdynamicは2018年に従来のロゴから新ロゴに変りました。このTeam TYGRは新ロゴに変更されてからの製品で、DT990Proで盛り上がっているゲーミング需要にこたえるために開発されたものです。
これは、本格的なマイクとヘッドホンがセットになっており、より高音質で通話やストリームができます。もちろん、歌や楽器を録音したりすることも可能なので、様々な用途に使用できます。
海外のレビューサイトによれば、このヘッドホンは通常のヘッドホンよりもさらに低音が重視されており、ゲーミング用途にも最適であると書かれています。
MMX 300
MMX 300はTeam TYGRよりも先に出ていたゲーミング用のヘッドセットです。ヘッドセットなのでもちろんマイクが付いており、DT990ProやDT250で通話をする際にはマイクが必要なのに対して、MMX300はマイクが付属しています。
音の傾向としては密閉型という特徴と、ゲーミング用にチューニングされているので非常に低音と高音が強調されている、所謂ドンシャリです。
まとめ
Beyerdynamicは魅力的で非常に良いヘッドホンを世に出していながら、日本では同じドイツのSennheiserなどの陰に隠れてコアなオーディオファンの間でしか話題になっていませんでした。
しかし、今はゲーミング用にその用途を見出され、着実にシェアを伸ばしていっています。ゲーミングヘッドセットでは味わえない、一味も二味も違う老舗のモニターヘッドホンならではの音の解像度を、Beyerdynamicで試してみてはいかがでしょうか。