年が2019年に変ろうとしていた時、ドローンで有名なDJIがその技術を使って3軸ジンバル搭載の小型カメラを発売しました。それが「Osmo Pocket」です。
「Osmo」シリーズは片手で持てる3軸ジンバルを特徴としており、カメラが付いた「Osmo」やスマホ用の「Osmo Mobile」を販売していました。
しかし、「Osmo」や「Osmo Mobile」はそれなりに大きく、「Osmo Mobile」に至ってはバランスの調整に時間を取ってしまい、スムーズに撮影に移行できないという問題点がありました。
今回発売された「Osmo Pocket」は3軸ジンバルを搭載しながらも、手のひらに収まるサイズまで小型化し、尚且つ電源を入れてから2-3秒で撮影を開始できる便利さから、発表された当時、非常に話題になりました。
この記事では、「Osmo Pocket」の主なスペックとファーストインプレッションについて書いていきます。
Osmo Pocketのスペック
本体スペック
- サイズ 121.9×36.9×28.6 mm
- 重量 116 g
- 稼働時間 140分(1080p/30 fps動画撮影時)
- 充電時間 73分(10W 充電器を使用時
カメラスペック
- センサー 1/2.3インチ CMOS
- 有効画素数:12M レンズ
- FOV :80° F2.0 版換算:26mm
- ISO感度 写真:100-3200 動画:100~3200
- 電子シャッター速度 8秒~1/8000秒
- 最大静止画サイズ 4000×3000 ピクセル
- 静止画モード シングルショット、パノラマ、タイムラプス、モーションラプス
- 動画解像度 4K Ultra HD:3840×2160 24/25/30/48/50/60p FHD:1920×1080 24/25/30/48/50/60/120p
- 動画撮影モード オート、スローモーション
- 写真フォーマット JPEG/JPEG+DNG
- 動画フォーマット MP4/MOV (MPEG-4 AVC/H.264)
- 対応SDカード microSD(最大容量:256 GB)
(参考:https://www.dji.com/jp/osmo-pocket/info#specs)
Osmo Pocketの特徴|小型で高性能
Osmo Pocketの特徴は、3軸スタビライザーによって映画のような滑らかな映像が撮影でき、しかも解像度が4K60pの動画を撮影できることです。
三軸スタビライザーがあると、カメラが常に同じ場所を向いてくれます。
そして、今までならばそのような映像を撮影しようと思ったら、カメラバッグに機材を詰め込まなければいけなかったのですが、Osmo Pocketはその名の通り、ポケットに入れて持ち運べてしまうサイズにまで小型化しました。
これによって、誰でも簡単に映画のようなクオリティーの映像を撮影できるようになりました。
さらに、操作性もよく、背面には1インチのタッチパネルが搭載されています。そこで、撮影モードや映像解像度の設定、そして大体の構図を確認できます。
また、Osmo Pocketを付属のアダプターを使ってスマホに直接接続し、DJI MIMOというアプリを介して大きな画面で構図を確認したり、さらに細かな設定をすることができます。
Osmo Pocketの良い点
実際に操作して、感じた良い点は3つあります。
メリット
- 軽量
- 映像のスムーズさ
- 映像の綺麗さ
軽量
良い点としては、やはり軽いということがありました。映像機材はずっと手で持っていなければいけないので、重いと撮っているうちに手が疲れてしまいます。しかし、Osmo Pocketは大半のスマホよりも軽いので長時間持っていても苦になりませんので持ち運びの手軽さが最大のメリットと言えますね。
アクセサリーがかさばるGoproなどに比べてOsmo Pocket1つあれば映像が撮れるので旅行など荷物をミニマムに抑えたいシーンで大活躍します。
映像のスムーズさ
また、手ぶれや歩いているときの上下のブレ、走っているときのブレまでもスタビライザーが吸収してくれるので、映像は滑らかそのもの。スマホで撮った動画とは一線を画します。
映像の綺麗さ
さらに、撮影できる映像も綺麗です。4Kの映像は驚くほどきめ細やかですし、センサーの性能がよく、特に暗所での撮影や、トンネル内から明るいところに出たときの反応なども優秀です。
Osmo Pocketの悪い点
しかし、一方で悪い点もありました。
デメリット
- バッテリーは交換できない
- 耐久性
- アクセサリが少ない
- 画角の狭さ
バッテリーは交換できない
まず、バッテリーが交換できないことです。バッテリーは完全に内部にあるので、交換はできません。つまり、一度バッテリーが切れてしまったらその都度充電しなければいけないということです。公式情報での連続撮影可能時間は140分となっております。
撮影したら充電コードをつなぐ、というそのプロセスが少し面倒な気がします。それならば、さっとバッテリーを交換できるほうがスマートです。
また、モバイルバッテリーなどから給電しながらの撮影も可能ですが、コードがどうしても邪魔になってしまいます。
さらに、バッテリーが交換できないということは、寿命が短いということにもなります。なぜなら、リポバッテリーは使うたびに充電容量が少しずつ減っていくからです。
DJIが今後バッテリーの交換サービスを行うのかは不明ですが、できないとバッテリーがへたったら、撮影可能時間が短くなり、寿命になってしまいます。
耐久性の問題
また、ジンバル部分がデリケートなのでやはりGoProのようには使用できません。
アクセサリが限られる
DJIはOsmo Pocket用の防水ハウジングやNDフィルターを含め、多くのアクセサリを発売するとアナウンスしていましたが、発売日に発売したのは「アクセサリマウント」「ワイヤレスモジュール」「コントローラーホイール」のみで、発売から3か月たった今も一向にほかのアクセサリが販売されません。
Osmo Pocketは本体に三脚穴がないので、三脚や自撮り棒を使おうと思うと「アクセサリマウント」が必要になります。しかし、アクセサリの値段が非常に高いのも悪い点の一つとして挙げられると思います。
画角が狭い
特にVlogメインで考えている方には深刻な問題で、手を最大で伸ばした状態で自撮りをしても、Osmo Pocketの画角はGoProよりも狭いので、GoProで撮った時のように自分と背景の景色が映るということは無く、画面内には自分の顔しか映りません。したがって、自撮り棒が必須なのですが、マウントするパーツの選択肢が現在あまりないという状況です。
まとめ|小型、綺麗、多機能な撮影道具
街での動画撮影が好きな人や、本格的な映像作品を作ってみたいという方にはGoProよりもいいのではないでしょうか。
とにかく、カメラ部分が自分で動いてくれるので、三脚に固定した状態で自動で犬などをトラッキングしてくれたり、面白いエフェクトが物理的に可能になったり、面白いパノラマが撮影できたりと機能が豊富で想像力を刺激される、そんなカメラだと思います。
Osmo Pocketは誰でも簡単に映像作品が取れるという気軽さと、もう少し深い、ディープな使い方ができるというような道具としての渋さを兼ね備えたカメラです。