写真のジャンルには様々なものがありますが、その中でも風景写真は一番身近な写真のジャンルといえます。
日本では四季があり、同じ場所でもまた違った顔を見せてくれます。今回はそれぞれの季節の中でも春に注目して、春にしか撮れない写真の作例を見ながらご説明してきたいと思います。
春といえばやはり、一番は桜になります。この桜を綺麗に写すには大事なポイントがいくつかありますが、最も大事なことは「露出を操り、桜色を引き出す」ことです。
これらを注意するだけでも綺麗な桜を撮影することができます。
桜の撮影に適した機材
桜を撮影する際には、それぞれの撮影場所によって異なりますが、多くの場合が桜の木が頭上高くにある場合が多いです。そのため望遠よりのレンズも持っておくと便利です。桜並木や桜が密集している場合などは広角レンズも活躍します。
さらに欲を言うのであればマクロレンズなどの接写できるレンズがあれば撮影の幅が3広がります。ベストなレンズラインナップでいえば下記のようになります。純正でなくともサードパーティ製のレンズで十分です。
TAMRON 28-75mm F2.8
TAMRON 70-200mm F2.8
TAMRON 90mm F2.8 マクロレンズ
これらのレンズがあれば様々な桜の写真を撮影することができます。
カメラの設定は?
露出補正で明るさを調整する
桜の写真で写真全体が薄暗くなり、せっかくの桜の花びらがくすんだような色になってしまうことが多いのですが、これはカメラが桜の花が明るいと判断し、暗く補正してしまうのが原因です。
その為背景が明るい曇り空や青空などの場合は空に適正露出を合わせてしまうことが多いですが、あくまでも主役は桜の花ですので、桜の花が適正露出になるように露出補正ダイヤルを使用してプラス補正しましょう。
思い切って背景が白とびするぐらいでも大丈夫です。
構図を考える
逆に曇り空などでは、望遠レンズやF2.8ぐらいまで開放できるレンズを使用して、なるべく背景をボカして全体的に明るくなるように露出補正を行います。
使用する構図としては日の丸構図や3分割法による撮影を行うことをおすすめします。大事なことは余分なものは写真に入れないことです。
ホワイトバランスを調整する
桜を肉眼で見たとおりに写真にしたいのであれば、ホワイトバランスの設定はオートか晴天などにしておきます。
桜に少し赤みが必要であれば、ホワイトバランスの設定を曇天にすることで温かみのある桜の写真になります。
色味の調整
各メーカーのカメラには仕上がり設定やエフェクト効果機能がついていることが多いですが、これらの機能を使用することにより、桜の色をより自分好みの色に変えることができます。
青空や桜の色を鮮やかにするのであれば、ビビットなどを選択し、色の濃い八重桜などはニュートラルで撮ることで自然な桜の写真にすることができます。
また、曇天時などは桜の色が表現しづらくなるので、その場合はホワイトバランスの色温度設定を変更することにより、好みの色に仕上げることができます。
青空に露出を合わせた場合に、桜の花の色が暗くなってしまう場合は、露出補正でプラス補正をしてしまうと、せっかくの青空が白とびしてしまうことがあります。
そのような場合には、青空に露出を合わせ、桜の花の方はストロボを照射することで光量をカバーすれば、青空とピンクがかった桜の花の写真を撮ることができます。
ストロボはYONGNUO YN560 III Speedlightなどのマニュアルストロボで大丈夫です。
夜桜を撮影してみよう
公園などで桜がライトアップされている場合に撮影する場合はシャッタースピードを長くするスローシャッター撮影となる為、基本的には三脚が必須になります。
撮影モードも絞り優先モードではなく、マニュアルモード撮影をおこないます。
まずは構図を決めて、構図が決まれば、F値をF8~11ぐらいまで絞り、ISO感度もなるべく低い方が良いので、シャッタースピードで露出が適正になるように調整します。
まとめ
桜といえば淡いピンク色ですが、その淡い色を写真にするにはホワイトバランスや、太陽の向き、そして仕上げの設定など、様々な工夫をする必要があります。しかし、過度にその工夫をしてしまうと、初心者のありがちな、彩度の高すぎる写真になってしまうので注意が必要です。
同じ桜の木でもカメラの位置や方向、そして太陽の位置によって、また違った顔をみせてくれるので、まずは色々な角度から撮影してみて、最適なカメラポジション、構図を探していくことが綺麗な写真を撮れるようになる一番の近道になります。