前回に引き続き、今回は四季の中の夏の写真を撮影する際のポイントということですが、夏といえばやはり海や青空ですね。
海の他にも清涼感のでる被写体も夏というイメージです。
今回はそんな見ている人が涼しくなるような写真や、あるカメラ用アクセサリーを使用した撮影方法などをご紹介していきます。
水や滝などを撮影する際に必要なアクセサリーがあります。
それは「レンズフィルター」になります。今回ご紹介するのはレンズフィルターの中でも「PLフィルター」と「NDフィルター」の2種類になります。
これらのフィルターは様々な撮影シーンで活用できますので、持っておくと非常に便利です。
使用するレンズも標準域から望遠まで幅広くカバーできるように持っていくと安心です。
タムロンなどのサードパーティ製のレンズを上手に使用しましょう。
・TAMRON 28-75mm F2.8
・TAMRON 70-200mm F2.8
【海編】
基本的な設定
撮影モードは絞り優先モードで風景写真になるのでF値は全体的にピントが合うようにF8~11ぐらいに設定しておきましょう。
昼間での撮影がほとんどですので、ISO感度も100で大丈夫かと思います。
広角レンズで海の広さと青空を表現する
50mmのレンズなどではなく、標準域もしくは超広角よりのレンズを使用することで、海の広さを表現することができます。
しかし超広角のレンズは高価になるのでマニュアルフォーカスレンズを使用することで安価で抑えることができます。
おすすめはSAMYANG 14mm F2.8 ED AS IF UMCです。
太陽の位置に気をつけよう
青空を入れる場合にはなるべく順光(太陽を背中側にする)で撮影しましょう。
逆光で撮影すると海が反射したりするので本来の海の色を表現することができません。
PLフィルターを使用して海をより青くする
太陽が出ている場合は順光で撮影しても、海面に太陽の光が反射して、なかなか綺麗な海の写真を撮ることができません。
しかしPLフィルターを使用すれば海面の反射を防ぎ、海をより青く写すことができます。
PLフィルターはKenko PLフィルターを使用しています。
ホワイトバランスは色温度設定にする
ホワイトバランスを変更して海の青みを引き出すことも可能ですが、やりすぎると不自然な青色になってしまう為、ホワイトバランスの中の色温度設定で少しずつ調整するようにします。
シャッタースピードを意識して躍動感ある写真へ
海の波うち際の迫力や躍動感を表現するにはシャッタースピードをあえて1/2~1/50にすることで、適度なブレの描写となり、力強い波うち際を表現することができます。
【滝・渓流編】
基本的な設定
撮影モードは海編と同じ絞り優先モードで、F値も全体的にピントが合うようにF8~11ぐらいに設定しておきましょう。
昼間での撮影がほとんどですので、ISO感度も100で大丈夫かと思います。
水の描写を考える
水の表現方法は2種類あり、それはシャッタースピードを操作することで大きく描写を変えることができます。
高速シャッターを使用した一瞬の切り取り写真や、スローシャッターを使用すれば絹のような流れを表現することができます。
NDフィルターを使用してスローシャッターを活用する
スローシャッターで絹のような流れを表現する場合は、シャッタースピードが長ければ長いほど、その流れのキメは細かくなります。
しかしあまりに長すぎると露出オーバーとなってしまい、白とびなどを引き起こしてしまいます。
そこで減光効果のあるNDフィルターを使用することにより、日中でもスローシャッターをおこなうことができます。
F値は8~11、シャッタースピードは好みの水の質感になるまで伸ばし、残りの明るさはISO感度で調整しましょう。
この時、白とびには注意しましょう。PLフィルター同様でKenko製のNDフィルター可変式を使えば、減光効果を微調整することができます。
高速シャッターで水しぶきを撮影する
流れの急な渓流や滝壺付近では水の一瞬の動きを写すことができる高速シャッターで撮影することで迫力ある写真にすることができます。
人間の目では捉えることができない一瞬を撮影することで、迫力のある水の勢いを表現することができます。
F値は8~11、シャッタースピードは水が止まるスピードまで速めて、残りの明るさはISO感度で調整しましょう。
ホワイトバランスで清涼感を表現する
清涼感を表現するにはホワイトバランスの色温度を寒色の方へ変更する必要があります。
色温度設定で4000K~5000Kぐらいに設定すると適度に青みがかり、涼しげな雰囲気の写真になります。
縦構図・横構図を上手に活用しよう
滝の高さや奥行きを表現するのに適しているのは縦構図、滝を含めた風景全体や滝つぼにたまる水しぶきなどの広がりを表現するには横構図が適しています。
まとめ
季節ごとの写真の中でも夏の写真は清涼感が一番のポイントになります。
いくら海や滝の涼しい場所での写真でもホワイトバランスの色温度設定が適切でなければ、夏らしさは表現できません。
カメラの設定でホワイトバランスはいつもオートにしている方も多いと思いますが、それぞれの撮影シーンや撮影時期に応じて適切なホワイトバランスを選択することも非常に大事なポイントとなります。