近年爆発的に高性能なワイヤレスイヤホンが登場し、スマートフォンのイヤホンジャック廃止も相まってイヤホンの主流が有線から無線に移り変わろうとしています。
ここ最近のハイエンドモデルワイヤレスイヤホンは特に性能が上がってきて有線イヤホンと聴き比べても引けをとらないくらいの性能を持ち、各社から次々と開発・販売されています。
またワイヤレスイヤホンならではの快適性やAppleのAirpods proやSONYのWF-1000XM3などノイズキャンセリングを搭載し尚且つ音質や接続性に長けた多機能でハイエンドのワイヤレスイヤホンのラインナップは年々増加しています。
- 今使用しているワイヤレスイヤホンから性能を上げたい人。
- 有線イヤホンからワイヤレスイヤホンに変更したいけどどのワイヤレスイヤホンが合っているのか分からない人。
- 各社から販売されているワイヤレスイヤホンって何が違うの?と疑問を持つ方。
などに向けてワイヤレスイヤホンを選ぶ際の判断材料として私たちのワイヤレスイヤホンの使用感をお届けします。
今回はPanasonicの音響機器向けブランドTechnicsから発売され、
音質や音の表現力と装着性を求める人にとっては最高の選択肢となる完全ワイヤレスイヤホン、Technics EAH-AZ70Wを紹介します。
Technicsとは?
Technicsて何?と疑問に思った人に説明しますと、家電製品などで有名なPanasonicのオーディオに特化したブランドがTechnicsです。
Technicsは1960年代に設立され、スピーカーやコンポ等を中心として開発し、他の総合家電メーカーが軒並みオーディオ分野に進出する中でもクラブDJ用機材の領域では成功を収めることとなりました。
しかし、2000年代に入るとTechnicsブランドはクラブDJ向け製品のみに存続していたが、Technicsの全ての製品は2010年をもって生産終了となり、Technicsブランドは一旦終息することとなりましたが、
DJ機材で使われるターンテーブルは世界中の有名なDJやライブハウスでは現在でもTechnicブランドのターンテーブルは愛用されております。
そういった経緯から、Panasonicは2014年に高級オーディオ機器ブランドとしてTechnicsの再展開を発表しました。
欧州では同年12月、日本では2015年2月よりTechnicsブランドの新製品が順次発売され、2020年4月にはTechnics初の完全ワイヤレスイヤホンTechnics EAH-AZ70Wが発売されました。
Technics EAH-AZ70Wの機能紹介
音楽本来の躍動感と豊かな空間性を実現
テクニクスのHi-Fiオーディオ機器やステレオインサイドホンEAH-TZ700の開発で培った音響技術によって誕生した完全ワイヤレスイヤホンです。グラフェンコートのPEEK※1振動板を搭載した直径10mmダイナミック型ドライバーやアコースティックコントロールチャンバーといったイヤホン全体の音響構造設計により、音楽本来の躍動感と豊かな空間性を実現しました。
※1:ポリエーテルエーテルケトンの略で、強度と内部損失特性に優れた材料。公式引用
アコースティックコントロールチャンバー
ドライバーの後端には、ステレオインサイドホンEAH-TZ700にも採用した、ドライバー前後の空気の流れを精密にコントロールする「アコースティックコントロールチャンバー」を配置。空気の流れが最適になるような音響構造により、ドライバーの持つ低域から高域までの広帯域再生能力を引き出します。公式引用
デュアルハイブリッドノイズキャンセリング
飛行機や電車など騒音の大きい場所でも静寂の中で音楽を楽しめるよう、業界最高クラス(※2)のノイズキャンセリング性能を実現した「デュアルハイブリッドノイズキャンセリング」を搭載しました。「デュアルハイブリッドノイズキャンセリング」は、イヤホンの外側と内側に配置したマイクを使用する「ハイブリッドノイズキャンセリング」に対し、さらにノイズキャンセリング処理の方法として「デジタル制御」と「アナログ制御」を組み合わせた方式です。公式引用
基本スペック
再生時間 | イヤホン単体:約6.5時間/約7.5時間 充電ケースを含む:約19.5時間/約22.5時間 |
短時間充電時再生時間 | 15分充電:約70分間 |
充電時間 | イヤホン+充電ケース(同時充電):約4時間 |
サイズ(W✕H✕D) | イヤホン:約20mm✕21mm✕29mm 充電ケース:約78mm✕38mm✕38mm |
質量 | イヤホン:約7グラム(片側のみ:LR同値) 充電ケース:約65g |
ノイズキャンセリング機能 | あり |
専用アプリ | Technics Audio Connect |
防水性能 | IPX相当(イヤホン部のみ) |
Bluetooth 対応コーディック/バージョン |
SBC,AAC/Ver.5.0 |
その他機能は公式ホームページで
タッチ操作一覧
動作 | タッチセンサーのタッチ操作 | ||
L | R | ||
音楽 | 再生 | シングルタップ | シングルタップ |
音量(小) | ダブルタップ | ー | |
音量(大) | トリプルタップ | ー | |
曲送り | ー | ダブルタップ | |
曲戻し | ー | トリプルタップ | |
通話 | 受電 | シングルタップ | シングルタップ |
着信拒否 | 約2秒長押し | 約2秒長押し | |
終話 | 約2秒長押し | 約2秒長押し | |
外音コントロール | ー | 約2秒長押し | |
音声アシスタント起動 | 約2秒長押し | ー |
Technics EAH-AZ70Wの外見
イヤホン本体
イヤホン上部にはTechnicsのロゴが入っており、ヘアライン加工も相まって高級感が漂います。
イヤホンケース
イヤホンケースもカバー上部はヘアライン、その他はマットブラックといった感じでチープさは一切感じずにサイズもポケットに入るほどコンパントで持ち歩きやすいです。
Technics EAH-AZ70Wのレビュー
音質:★★★★★
著者は今までワイヤレスイヤホンでは
Noble Audio FALCON
Airpods pro
SONY WF-1000XM3
AVIOT TE-BD21f-pnk
CAMBRIDGE AUDIO Melomania1
Sennheiser MOMENTUM True Wireless 2
など使ってきましたのでその経験から他のイヤホンとの違いを感じたことをレビューしていきます。
実際に、EAH-AZ70Wを聴いてみて、私自身がイヤホンを選ぶ際に一番重視している音質の感想です。
現在発売されているワイヤレスイヤホンの中では、音場(音波の存在する空間)と音の解像度が高く、音の表現度が群を抜いて高いと感じました。
本当にこれ完全ワイヤレスイヤホンかと疑うぐらいに音の表現度が高く、超高音質で「音楽を聴く」と言うより「音楽を感じる」といった表現が相応しく感じました。
詳しく解説しますと、まず高級有線イヤホン特有の音の空間表現がよく出来ており、音楽の立体感を感じました。
オーディオに詳しい人だと音場が広いという表現の方がしっくりくるのではないでしょうか。
音の解像度は完全ワイヤレスイヤホンの中でもズバ抜けており、ロックバンドのボーカル、ギター、ベース、ドラム等の全ての音が鮮明に聴こえてくるので「完全ワイヤレスもここまで来たか」と感心してしまうほどでした。
音の傾向は癖の無いフラットな音質なので、高音は刺さらない程度、低音もタイトにしっかりと鳴らしてくれるので非常に聴きやすい音質です。音楽のジャンルを問わず、クラシック、JPOP、ロックなど全ての音楽を綺麗に鳴らしてくれます。
音質が私の好みと非常にマッチングしていたのでネガティブな感想はないのですが、あえて気にする人は気にする点を言うと、
低音に関してはサッパリとしていて迫力があまりないので、低音を重視している人にとっては物足りない印象です。
ノイズキャンセリング:★★★☆☆
ノイズキャンセリングにはあまり力を入れていないのか、ノイズキャンセリング効果は他社のノイズキャンセリングと比較しても普通レベルであります。
Airpods pro等のように周りすべてがプリウスみたいになるといったことは感じなかったです。
ですがノイズキャンセリング機能をONの状態で音楽が流れると周りの音が全く聞こえなくなるレベルではありますので、周りの騒音を遮断し音楽に没入するには十分すぎる性能は備わっています。
装着性:★★★★★
本体のサイズは結構大きめに見えるかもしれませんが、実際に装着してみるとサイズの大きさは全く感じず耳にフィットし音楽に集中させてくれます。
この手の大きさの完全ワイヤレスイヤホンは装着性はあまり良く感じていませんでしたが、ストレスフリーとも言える装着感を持っているTechnics EAH-AZ70Wの完成度の高さに感心しました。
Bluetoothの接続性:★★★★★
- 満員電車
途切れることはなかった - 都会の改札口
途切れることはなかった - 人混みの地下街
途切れることはなかった
Technics EAH-AZ70Wの総評
EAH-AZ70Wの良い点
良い点
- 音質と音の表現度が完全ワイヤレスイヤホンの中では最高峰
- 装着性が良い
- 防水性やバッテリーの持ちが良い
EAH-AZ70Wの気になる点
気になる点
- 価格が高い
以外は正直言って無しです!
まとめ
ワイヤレスイヤホンの中でも有線イヤホンにも負けないぐらいのズバ抜けた音質を持ち、尚且つノイズキャンセリング機能を持っているので、音質面でリードしている有線イヤホンも完全ワイヤレスイヤホンに負ける時代が来ると確信するくらい、Technicsが持つ技術力に感服しました。
Technics EAH-AZ70Wの価格が32000円ほどなので、決して安くはないです。
しかし私の価値観で言うなら、同価格帯のAirpods proやSONY WF-1000XM3などと悩んでいて尚且つ、音質と音の表現力を求める人であればTechnics EAH-AZ70Wが一番満足度を得られるのではないでしょうか。
iPhoneユーザーで快適性などお手軽さを重視したいといった人であればairpods proなどを選択したほうが無難な選択と言えます。
他にも、音質重視で1万円~2万円の価格帯の完全ワイヤレスイヤホンを購入するより、現在使用している完全ワイヤレスイヤホンからのステップアップや、まだ完全ワイヤレスイヤホンを所有しておらず、最初からトップクラスに高品質な完全ワイヤレスイヤホンを選びたい人にとってTechnics EAH-AZ70Wは最高の選択肢の1つになるでしょう。