写真の魅力はいろいろありますが、「その瞬間を切り取れる」というのは大きな魅力のひとつとだと思います。
空間を記録するカメラの技術も日進月歩で、現在では3次元を2次元に記録する従来のカメラのほかにもVR技術を利用して3次元を3次元、または2次元と3次元の間のような形で切り取れるカメラが出てきました。
この記事では、360度カメラの入門機として最適なSamsung Gear360をレビューするとともに、360度カメラの魅力に迫ります。
360度カメラでできること
360度カメラはその名の通り、360度を撮れるカメラのことです。
例えば、Google Mapなどの一つの目玉機能であるストリートビューも360度カメラで撮影されたものです。
ある特定の画角を切り取るカメラとは違い、自分の周りにあるすべての空間が一度に記録されるのが360度カメラの特徴です。
現在市場にはRicohのThetaシリーズ、GoPro Fusion 、さらに深センで設立されたInsta360 One Xなど高性能な360度カメラが出ています。しかし、それらは気軽に試すには少し値段が張ります。
一方、Samsungが販売しているGear360は、4K動画が撮影できるスペックを持っていながら値段が2万円以下と手が届きやすい価格設定になっておりコスパがよくお勧めできます。
Gear360スペック
Gear360のスペックは以下の通りです。
本体 | 本体重量:約130g
サイズ:100.6×46.3×45.1mm |
カメラ | センサー:CMOS 8.4MP×2
レンズF値:2.2 |
撮影モード | デュアルレンズモード、シングルレンズモード(フロント/リア) 動画・写真・タイムラプス・ビデオループ・風景HDR EV、シャープネス、ホワイトバランス、HDR、ウィンドカット、ISO上限値(1600まで) 水平水準器、ジオタギング |
静止画撮影 | 360°デュアルレンズ(15MPまで)シングルレンズ(3MPまで)フォーマット:JPEG |
動画撮影 | 360°デュアルレンズ(4096×2048 (24fps)まで) シングルレンズ(1920×1080(60fps)まで) コーデック:MP4(H.265) |
撮影時間 | 約130分 |
容量 | Micro SDカード(256GBまで) |
対応スマートフォン | S9, S9+, Note8, S8, S8+, S7, S7 Edge, Note5, S6, S6 Edge, S6 Edge+, A5/A7 (2017) iPhone 7, 7+, 6S, 6S+, SE iOS 10.0 以降 *4 |
値段 | 2万円以下 |
Gear360の特徴
Gear360は、価格が2万円以下という安価ながら動画は最高4K24pで撮れ、ほかにもHDRモードなどが付いているので静止画も非常にきれいに撮影できます。
4Kといっても、一般的なカメラの4Kとは違い4Kの解像度を360度で分け合っているため、同じ画角を切り取った場合一般的な4Kよりは画質が荒くなります。
同じ価格帯のRICOH ThetaSCは4Kに対応していません。そのため、さらに画質が荒くなってしまいます。4Kに対応しているのは価格が約倍のTheta Vからです。
6-8万円を出せば動画の解像度が5.7KのGoPro FusionやInsta360 One Xが買え、さらに上のきれいさを体感できますが、360度カメラがどのようなものであるかを知るにはGear360は一番いい選択だといえると思います。
Gear360レビュー
見た目
見た目はこのようになっています。
このように、レンズが二枚両側に張り合わされているような見た目になっています。
使い方
使い方としては、側面の電源ボタンを入れ、Menuボタンで撮影モードを選択、そして撮影ボタンを押すだけです。
本体には小さい画面があるので、基本的な設定や一連の撮影を本体だけで行うことができます。
また、上部のライトで今どっちのレンズが有効になっているのかということを即座に確認することができます。
二つ光っていれば、360度写っている状態で
片方が光っていたら180度写っている状態です。
スマホとの接続
また、スマホと接続することによって解像度の設定など、細かな設定をすることができます。
また、スマホと接続したGear360を三脚に固定すると、リモートシャッターでシャッターを切れるので自分が映り込むことなく、風景だけを撮影することができます。
作例
画質は2万円のカメラとは思えないくらい良く、満足いく画質だと思います。
また、このように「ラウンド表示」にすることによって、小さい球体の上にいるかのような不思議な写真を撮ることもできます。
Gear360のいい点
いい点としては、
良い点
- 本体だけでしっかりと撮影できる
- スマホとの接続がスムーズ
- 値段の割にかなり画質がいい
Gear360の悪い点
いまいちな点は、
悪い点
- 動画を4Kで取る場合24fpsでしか撮影できないのでカクついて見える
- 手振れ補正がいまいちで、ブレが目立つ
しかし、このあたりは値段を考えたら仕方ないと思います。
面白いと感じた点
自分でストリートビューを作っているようで面白い
ストリートビューは大体のところを網羅していますが、「ここの道には入れたらな」や「もっと天気が良かったらいいのに」と思うこともあります。
360度カメラは自分でストリートビューを作っているようなものなので、どこでも撮影できあとから見返すことができます。
旅の思い出がより鮮明になる
360度カメラはVRデバイスと組み合わせると、まるで自分がその空間にいるような体験をすることができます。旅行に行ったときに360度カメラで感動したシーンを撮っておくと、旅が終わった後でもVRデバイスを使って再度その場所に行ったような体験ができます。
もしVRデバイスがなくても、スマホのジャイロを利用してスマホの動きと合わせて画像を動かすことができます。これでも十分没入感があります。
店の雰囲気などを共有することができる
これは特に自分でお店を持っている人へ向けてなのですが、自分のお店のホームページやGoogle Mapに360度写真を載せることができます。
それによって、まだ来たことのない人にも店の雰囲気を共有することができます。
まとめ
このように、360度カメラを使えば今までの写真体験とはまた違った体験をすることができます。
Gear360はそのデビュー機として最適な値段設定であり、高性能な機能を備えています。360度カメラに興味のある方は、Gear360でデビューしてみてはいかがでしょうか。