前回の記事では、Osmo Pocketのファーストインプレッションをメインにレビューしました。その中では、手のひらサイズなのにスムーズで綺麗な動画が撮れるカメラとして紹介しました。
⇨小型ジンバルカメラ「DJI Osmo Pocket」をレビュー!
しかし、現在、同じようなコンセプトのカメラが存在しています。そう、有名なGoProです。
⇨Gopro Hero7Blackは買うべきか?その魅力や特徴をレビュー!!
Osmo PocketとGoProのコンセプトの違い
初めに述べておきますが、Osmo PocketとGoProは小型カメラという部類に属していますが、全く別のコンセプトを持った、別のカメラです。
GoProは普段の動画撮影のみならず、本体だけで防水防塵という堅牢性から動きの激しいスポーツやアウトドアなどの分野でも用いられることが多いカメラです。
一方で、Osmo Pocketのコンセプトとしてスポーツはあまり重要視されていないという印象を受けます。
Osmo Pocketは防水防塵仕様ではないうえに、レンズがむき出しという点やジンバル部分のデリケートさから、激しい衝撃には耐えられません。
確かに、DJIは今後防水ハウジングを発売するとアナウンスを行っていますが、スポーツで使うならばより小型なGoProに軍配が上がります。
Osmo Pocketの強みー映像の綺麗さー
しかし、映像作品を作るというような目的においては、Osmo Pocketがリードしているように思います。
電子スタビライザーとジンバル
GoPro Hero7 Blackはハイパースムーズという電子スタビライザーを搭載しています。それまでのGoProシリーズよりも格段にスムーズな映像が撮れるようになったのですが、これは、画面の周りを切り取る処理を行うことで中心の映像のブレを補正するというものです。つまり、GoProの映像は少しクロップされているということです。これによって、少し画質が落ちるのではないかといわれています。
対してOsmo Pocketは電子制御されたスタビライザーを搭載して、物理的にブレを補正しています。つまり、カメラでとらえた画角すべてが映像として記録されます。したがって、画質がGoProと比較するとよくなります。
ジンバルの能力
3軸ジンバルの補正能力は驚異的で、走っても全くぶれない映像を撮ることができます。GoProの電子スタビライザーも頑張ってはいますが、さすがに激しい上下になると対応しきれず、映像がぶれてしまいます。
そのブレもアクティブさを演出するための重要な要素になりますが、スタビライザーの能力に関しては明らかにOsmo Pocketのほうが優秀だと思います。
また、GoProだと水平がとれているか確認しなければいけないのですが、Osmo Pocketだとジンバルが駆動することによって常に水平をとれているので、ショルダーストラップにOsmo Pocketを使う際、気にする必要はありません。
画角
また、画角も対称的です。Osmo Pocketの画角は先ほどご紹介したように、FOV :80° F2.0 版換算:26mmです。対してGoProは撮影モードにもよりますが、広角の場合だと約150°になります。この場合、GoProの映像は端が曲線になる「魚眼効果」が生まれます。
それは、壮大な風景を多く映せることやスピード感のある映像をとれるということです。このあたりもGoProがアウトドアやスポーツの用途をコンセプトとしている証拠です。
しかし、Osmo Pocketの画角は80°。一般的には広角ですが、GoProのような超広角ではありません。しかし、このことによって画面の端が歪む「魚眼効果」が解消されます。一般的に映画や映像作品では、特殊的な効果を除いて、「魚眼効果」は向いていません。
この点においても、Osmo Pocketは映像作品を作るという用途に向いているのではないでしょうか。
⇨Osmo Pocketで大迫力のパノラマ写真を撮る時のモードの使い方
GoProの強みーアクティブさー
スポーツ用途
先ほど述べたような防塵防水ボディももちろんですが、四角の形状もスポーツに向いています。
Osmo Pocketは縦長なので身に着けると少し邪魔になってしまいます。しかし、GoProのような四角いボディだとヘルメットにつけたときや胸につけたときに邪魔になりにくいです。
そして、何よりGoProのほうが世に出てから長いので、様々なアクセサリが出ています。
耐久性においてはGoProのほうが頭一つも二つも抜きん出ているので、スポーツ目的ならばGoProのほうがおすすめです。
Vlog用途
例えば、旅行に行った際のことを記録してシェアしたい場合などに、自分の顔と周りの風景を撮影しながら歩いている動画を多く見かけます。
その時に重要なのが、画角です。GoProの超広角の画角であれば、片手でGoProを持ちながら歩いても、自分の顔と周りの風景がすべて同じフレーム内に映ります。
しかし、Osmo Pocketの場合は画角が狭いので、自分の顔しか映りません。自分の顔と風景を同時に映す場合には自撮り棒が必要になります。また、大人数で自撮りをする場合も同様で、自分の顔しか映らないので、グループでの自撮りにも不向きです。
まとめ
これまでのことをまとめると、以下のようになります。
Osmo Pocketに向いている人
- よりきれいな映像を撮りたい人
- 映像作品を作りたい人
- スポーツよりも旅行などに使いたい人
- トレッキングなどさほど激しいスポーツを想定している人
GoProに向いている人
- アクティブな用途を想定している人
- 疾走感のある映像を撮りたい人
- 多少雑に扱いたい人
- 自撮りをしたい人
Osmo Pocketが発表された当初はその手振れ補正の強力さや映像の綺麗さから、GoProが終わるのではないかといわれていましたが、現在ではこの2つのカメラはうまく住みわけで来ているように思います。
みなさんも、小型カメラを購入する際には自分の用途と照らし合わせて、選択しましょう。